
FTTHとは、「Fiber(光ファイバー) To The Home(家庭)」の略称で、家庭向けの光ファイバー通信の構成を意味します。
また、FTTHで提供されるインターネットサービスの通信速度は1Gbps~と高速で、国内固定回線サービスでは8割以上ものシェアがあります。

※CATVとは、ケーブルテレビのインターネットを指し、DSLとは主に電話回線を使ったインターネットを指します。
しかし、FTTHと光回線の違いが気になっている人も多いのではないでしょうか。
ですので当ページではFTTHについて知っておくべき内容や具体的なサービスをまとめてみました。
お読みになる前に
便宜上、「光ファイバケーブル、光ファイバ、光ケーブル、光回線」は基本的に同じものだと考えて頂いて差し支えありません。
また光回線サービスは、光ファイバを使って提供されるサービスと考えましょう。
FTTHと光回線のちがいってなに?

光回線とFTTHって何が違うの?

基本的に1Gbps~の通信速度が出せる光回線のことをFTTHと呼びます。FTTHはちょっとした専門用語だと考えてください。
たとえば、総務省が公開するページ「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表」では、固定回線の契約者数を発表しています。
しかし、ここには「光回線(1Gbps)の契約者数」という言葉は見当たりません。
その代わりに、「FTTHの契約者数」という言葉を用いています。

私たちの身近な例でいうとドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、ビッグローブ光、OCN光など、通信速度が1Gbps~のサービスはFTTHです。

でも、どうして光回線じゃなくてわざわざFTTHと呼ばれるのかしら…?
FTTHは他と何が違う?|光回線の使われ方によって分類されるFTT〇とは?
知らない人も多いのですが、光回線を使ったサービスは私たちに身近なサービスだけでも3種類に分かれています。
- ドコモ光やソフトバンク光、auひかりといった今主流のインターネット
┗ FTTH(Fiber To The Home) - ケーブルテレビのインターネット
┗ FTTN(Fiber To The Node) - 無料で使えるマンションのインターネット
┗ FTTB(Fiber To The Building)
上記3つとも、光回線を使ったインターネットサービスです。
しかし、厳密にいうと光回線の使われ方が異なるため、業界では「FTT〇」といった形で明確に区別されています。
また、光回線の使われ方次第で通信品質も変わるので、押さえておきたいポイントです。
※光回線と区別するために従来型のケーブルをまとめてメタリックケーブルと呼んでいきます。
FTTH(Fiber To The Home)
最大通信速度:1Gbps~
マンションの各部屋まで光回線(光ファイバーケーブル)をつなぐネットワーク構成がFTTHです。
各戸までしっかり光回線が繋がっているので、高品質の通信が可能です。
【例】ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、ビッグローブ光などの1Gbpsの光回線サービス

基本的にメタリックケーブルより光回線の方が高速通信が可能であるところがポイントです!
FTTB(Fiber To The Building)
最大通信速度:100Mbps~
※おおむね100Mbpsのサービスが多く、宅内配線によっては1Gbpsのサービスもあります。
光回線をマンションの共用部にあるMDFというところまで引き込み、そこからはLANケーブルや電話回線などのメタリックケーブルを利用して各戸までつなぐネットワーク構成です。
※MDFとは回線などを収容する場所のことを指します。
マンションなどで導入されている無料インターネットサービスでよく利用されており、中には品質の良いLANケーブルを使用することで1Gbpsの通信速度を実現しているサービスもあります。
※有料サービスもあり。
【例1】D.U-NET、レオネット、B-CUBIC
【例2】ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、ビッグローブ光などの1Gbpsの光回線サービスを申し込んでVDSL方式もしくはLAN配線方式と判定された場合
FTTN(Fiber To The Node)
最大通信速度:~320Mbps
※代表例J:COMの場合
分配ノード(Node)まで光ファイバが利用されており、分配ノードからは同軸ケーブルを利用して各戸までつなぐネットワーク構成です。
また、HFC(光ハイブリッド)方式とも呼ばれています。
現在、多くのケーブルテレビ会社がFTTNを採用していますが、途中から同軸ケーブルを利用しているため通信速度は遅くなりがちです。
【例】J:COMや、地方のケーブルテレビ会社のインターネットサービス

FTT〇はいくつかあるけれど、今主流の光回線(1Gbps)を明確に区別するためにFTTHといった呼び方が使われているのね。

はい。ですのでFTTH=今主流の1Gbps~の通信速度が使える光回線のことだと考えておけば問題ありません。
【絶対に知っておきたい】FTTHサービス契約の失敗例
FTTHのサービスを契約すれば、安心して最大速度1Gbpsのインターネットが利用できると思われがちですが、実はそうではありません。
FTTHのサービスだと思ってサービスを申し込んでも、時にはFTTBになってしまうこともあるのです。
たとえば、FTTHサービスを申し込んだつもりでも…
- VDSL方式(FTTB)
- LAN配線方式(FTTB)
といった判定がなされるケースが挙げられます
集合住宅の構造によってFTTBになってしまったというケースです。
1.VDSL方式(100Mbps)
光配線方式が不可能な集合住宅にお住まいで、既存の電話回線をマンションの共用部から利用するケースです。
VDSL方式はFTTHではないため、通信速度が最大で100Mbpsとなってしまいます。
2.LAN配線方式(概ね100Mbps~)
集合住宅内で光配線方式(光ケーブル)の導入が厳しく、マンションの共用部からはLANケーブルを使って配線する方式です。
FTTHのサービスだと思って申し込んでこの配線方式に判定された場合は、おおむね100Mbpsの通信速度の利用となります。
LANケーブルの対応規格によって通信速度は1Gbpsとなるサービスもありますが、FTTH系サービスを申し込んでLAN配線方式に判定された場合は100Mbpsとなることが一般的です。

FTTHと呼ばれるサービスを申し込んでも、集合住宅の構造によってはFTTBになってしまうこともありえるのです。

なるほど。それじゃあ光回線サービスを申し込む時には「FTTHで使えるかどうか、1Gbpsで使えるかどうか」ということを担当者に聞いておいた方がいいわね。
【まとめ】FTTH
FTTHは光回線が自宅まで繋がっているネットワーク構成であることをお伝えしてきました。
一方で、光回線の使われ方によってはFTTB、FTTNといったネットワーク構成もあります。
身近なサービスで光回線を使っている!といっても、種類があることを必ず覚えておきましょう。
ただ、現在ではFTTH系の光回線サービスを申し込めば、ほとんどの確率でFTTH(1Gbps)が使えるように普及してきています。
多くの人が使っている人気の光回線サービス(FTTH)は以下の記事にて確認できますので一度ご覧ください。
※なお、当サイトでは基本的に光回線サービスをFTTHとして考えて解説しています。