
スマホ以外の機器(パソコンやタブレットなど)でインターネットに接続したいときはテザリングが便利ですね。
でも、テザリングをするときに見かける、
- Wi-Fiによる接続
- Bluetoothによる接続
- USBによる接続
って一体何が違うの?と思われているのではないでしょうか?
先に結論からお伝えしておくと、3つの接続方法が用意されている理由は「状況によって使い分けることで更に快適なテザリングが可能になるから」です。
みなさんは、テザリングをしていて「スマホの充電・バッテリーの消費が激しい・速度が遅い」と感じたことはありませんか?
もしかしたらそんな悩みも接続方法の切り替えをうまくするだけで解消されるかもしれません。
テザリングにおける3つの接続方法(WiFi・Bluetooth・USB)の違い、メリット・デメリットとは?
※テザリング機能を持つスマホを「親機」と呼び、インターネットに繋げたい機器(パソコンなど)を「子機」と呼びます。
テザリングを行うときに利用できる3つの接続方法(WiFi・Bluetooth・USB)で異なるのは主に以下の4つとなります。
- 接続形態(無線か有線か)
- バッテリーの消耗具合
- 通信速度
- 電波が届く範囲
バッテリーの消耗具合と通信速度が最も重視すべき項目だと思いますが、それぞれの接続方式で比較すると以下のようになります。
子機との 接続方法 |
接続形態 | バッテリー 消費 |
通信速度 | 電波の範囲 |
---|---|---|---|---|
Wi-Fi (ワイファイ) |
無線 | 多い | 速い | 広い |
Bluetooth (ブルートゥース) |
無線 | 少ない | 遅い | 狭め |
USB (ユーエスビー) |
有線 | ※ | 最速 | ケーブルの 範囲内 |
※バッテリーの消耗は少なく、逆に子機になるパソコンからスマホを充電することもできます。
WiFi接続もBluetooth接続も線を利用しない無線通信であることに変わりはありません。

しかし、通信速度や電波の届く範囲、親機(スマホ)のバッテリー消耗具合が全く異なります。
3種類の接続方法は存在する意味があり、どれが一番ベストなのかはテザリングの使い方によって異なります。
そのことも踏まえて1から誰でも分かるように解説していきます。
WiFiによるテザリングの特徴とメリット・デメリット
テザリングでWiFi接続を利用すると、スマホが親機(アクセスポイント)としてWiFiネットワークを作り出します。
WiFiネットワークとは、子機がインターネットにつながる小さな空間だと考えてください。
「自宅内でWiFiが使える」という経験をお持ちの人は多いと思いますが、それは自宅内にあるWiFiルーターと呼ばれる機器がWiFiネットワークを自宅内に作り出しているからです。(固定回線の契約をしている場合)
それと同じく、スマホのテザリングで「WiFi」を利用すれば、WiFiネットワークをスマホ周辺に作り出すことが可能になります。

テザリングのWiFiってスゴイのね!
また、スマホ・パソコン・ゲーム機・プリンター問わず、子機がWiFiに対応していればインターネットに繋げることができます。
その上、WiFiで採用されている通信規格は高速(大容量)であるため、親機の通信速度を大きく下げることなくテザリングできる点も嬉しいです。(※後述するBluetooth接続と比べた場合)
WiFi接続のメリット
- WiFiが採用する通信規格上、テザリングの際に(親機からの)通信速度が減りにくい。
- WiFiに対応する機器が多い。
WiFi接続のデメリット
- WiFiネットワークを作り出す過程で親機のバッテリー消耗が激しい。
- テザリングのON/OFFに手間がかかるケースもある(特に親機がiPhoneの場合)。
※親機の機種にもよりますが、子機からの接続がない場合にテザリングが中断されるケースがあります(バッテリーの消耗を減らすため)。その場合は親機の画面でテザリングのON/OFFを再度操作する必要があります。(親機がiPhoneの場合:90秒の間WiFi接続がなければテザリングが自動的にOFFになる)

ワイヤレス環境でネットを使い続けたいときにWiFiのテザリングは適しているわね。

はい。カフェなどでお手軽にノートパソコンを利用するときはWiFi接続によるテザリングがおすすめです。
Bluetoothによるテザリングの特徴とメリット・デメリット
テザリングのBluetooth接続はWiFiと同じく無線(電波)による接続形態となりますが、
Bluetoothは、簡易な情報のやり取りを行うのに使用されるという点で異なります。
私たちの身近な例でいうと、自撮り棒や、音楽関連(カーナビ・イヤフォン・スピーカー)や、PC周辺機器(キーボード・マウス)でBluetoothによる接続が利用されていますが、すべて簡易な情報のやり取りで成り立っているものばかりです。
※逆に大きな情報のやり取りの例として、画像・動画データの送受信が挙げられます。
ポイントは、テザリングする際、Bluetoothのような簡易な情報のやり取りに特化した無線通信を利用すると通信速度が遅くなってしまうことです。
一方で、Bluetoothは簡易な情報のやり取りに特化しているためバッテリーの消耗が少なくなるというメリットも持ち合わせています。

なるほど。Bluetooth接続が小さな機器に採用されていることが多いのはそういうことね。
Bluetooth接続のメリット
- Bluetoothの性質上、バッテリー消耗が少ない。
- テザリングのON/OFFに手間がかからない(特に親機がiPhoneの場合)
※親機の機種にもよりますが、基本的にBluetoothによるテザリングの場合では、一度親機と子機とペアリングしてしまえば自動的にテザリングが解除されることはありません。
Bluetoot接続のデメリット
- Bluetoothの性質上、テザリングの際に(親機からの)通信速度が減ってしまう。
- WiFiと比べてBluetooth対応している機器が少ない。

子機で簡単なネット利用(検索やLINE・その他SNS)をするぐらいであれば、バッテリー消耗が少ない上に、手間なくテザリングができるBluetooth接続が一番いいというわけね!

はい。旅や通勤途中の時、サブ端末で簡単にネット利用をするならBluetoothを使ったテザリングがおすすめです。
USBによるテザリングの特徴とメリット・デメリット
テザリングのUSB接続は、WiFiやBluetoothの無線接続とは違い、ケーブルを使った有線接続となります。
みなさんは普段お使いのスマホを充電するとき、コンセントにケーブルを接続しますよね。
それと同じくテザリングをするときも、パソコンにあるUSB端子にケーブルを接続します。
子機にUSB端子がなければテザリングできませんが、ノートパソコンやデスクトップパソコンを子機として利用する際にUSB接続の活用が可能です。
また、物理的なケーブルで接続するため、WiFiやBluetoothによる無線接続よりも高速通信が可能で、外部の電波に干渉されることもほとんどありません。
バッテリー消耗に関しても少なく、逆にノートパソコンやデスクトップパソコンのバッテリーから親機(スマホ)に充電することも可能です。

テザリングを使って、パソコンでインターネットを利用するなら最も良い方法ということね。
USB接続のメリット
- テザリングにおける接続方法の中では最も通信速度が出る。
- 親機(スマホ)を充電しながらテザリングできる。
USB接続のデメリット
- USBケーブルを準備しておく必要がある。
- タブレットやスマホを子機にすることは厳しい。
- 1台しかテザリングできない。

パソコンの利用がメインの人なら一番良い方法と言えるわね。

はい。パソコンへのテザリングをメインに検討している人はUSBによるテザリングが速度・バッテリー面で一番おすすめです。
【検証】テザリングのWiFi・Bluetooth・USB接続における速度の違いを調査した結果。
実際に、テザリングの各接続方法(WiFi・Bluetooth・USB)における速度を調査してみました。
ちなみに、ここで一番注目して頂きたいのは各接続方法による通信速度の違いとなります。
また、テザリングを行う時の親回線における通信速度は、以下の通り59.7Mbpsでした。
※同時間帯(朝10時)に計測した結果、親回線の通信速度はおおよそ40Mbps~60Mbpsです。

接続方法によって59.7Mbpsの通信速度がどのぐらい変化するのか注目です。
今回の検証で使用する機器は以下の通りです。
親機(スマホ):iPhone7+【ソフトバンク回線】
子機(スマホ):iPhone7+
子機(パソコン):MacBookAir
Windowsパソコンもandroidスマホも持ち合わせていますが、ここでは各接続方法における通信速度の違いをご覧頂くために、Apple系端末に統一しました。
Bluetooth接続によるテザリングは非常に遅かった。
一度設定してしまえば、テザリング設定のON/OFFを切り替えることなく子機がインターネットにつながって便利なBluetooth接続ですが、通信速度は基本的に遅いです。
というのも現在最も普及しているスマホ(機種)に搭載されているBluetoothは、最大でも3Mbpsまでの通信速度しか出せないからです(規格上の問題)。
しかし、もし最新機種のスマホを利用している人は一度Bluetoothによる接続を試してみてください。
Bluetoothの最新規格では、最大24Mbpsの通信速度が採用されているからです。
もし3Mbpsより速い通信速度が出るなら、Bluetooth接続が高速かつ省エネですので一番のテザリング方法となり得るでしょう。
WiFi接続によるテザリングでは少しだけ速度が落ちたものの好調。
接続が手間になるケースも見られるWiFi接続ですが、通信速度をあまり落とすことなくインターネットが使えます。
また、現在のスマホであれば対応しているWiFi規格などを考えなくても基本的に十分な通信速度が出ます。
そのため、「テザリングと言えばWiFi接続」という考え方が一般的です。
USB接続によるテザリングでは速度はほとんど落ちない。
USB接続はやはり優秀です。
WiFi・Bluetooth接続と比べて親機からの通信速度をほとんど落とさなくて済みます。
また、今回利用したのは充電をするときに使用しているUSBケーブルなので誰でも持っているケーブルと言えます。
高額請求のリスク&テザリングの接続方法(WiFi・Bluetooth・USB)まとめ
テザリングの際に使える接続方法として、WiFi・Bluetooth・USBの3種類があり、それぞれの特徴を解説してきました。
ここで大事なのは、どの接続方法が一番良い!といわけではなく、自分の状況に合わせて各接続方法のメリット・デメリットを考慮すべきだということです。
そうすればスマホ(親機)のテザリングは非常に便利な機能となります。
ただ、テザリングで消耗する通信量(データ容量:GB)には大きなリスクも潜んでいるため必ず注意してください。
あくまでテザリングとは、親機(スマホ)で使える通信量を子機に流すだけの機能だからです(使い放題ではありません)。
ですので、テザリングにおけるリスクを受けたくない人は必ず、通信量について知っておくようにしましょう。
知らないうちに多くの通信量を使ってしまい、思いもよらない請求が行われる前にです。
※ テザリング=「tether(繋ぐ)ing(こと)」を意味しており、親機のインターネットを子機でも使えるようにつなぐ機能のことです。